社会保障制度と社会保険

保険関連

社会保険に加入していないと、現場に入れませんよって言われたけど一人親方は入れるの?

社会保障制度と社会保険がごちゃ混ぜになっていることが多いようです。
ここで、整理しておきましょう。

社会保険とは、日本国内で生活する上で必ず加入する義務がある強制保険です。加入するかしないかという選択肢はありません。強制保険なので、保険料も強制的に徴収されます。しかしながら、この社会保障制度のおかげで、公平で平均的な保障が受けられるという事になります。社会保険と言えば「会社員が強制的に加入させられる保険」「払われるかどうかわからない年金保険」「医者に行くと3割だけ払えば良い保険」というイメージをお持ちだと思います。

社会保険の保障3種類

まずは、社会保険と言えばこの3つの保障が挙げられます。あらゆる場面で何となく使っているので、なかなか意識したことは無いかと思います。

●医療保険

医療保険とは、医師の診断や治療等を受けた時に、国が治療にかかった医療費をある程度負担してくれる制度です。病院に行った時に「保険証を出してください」と言われますよね。まさしくこれそのものです。また、通院している方は「月一回提出してください」と言われ、受付で保険証を提出します。つまり、この保険制度が無ければ、日本国民全員がかかった医療費を100%負担しなければなりません。アメリカでは「オバマケアー」として取り入れられました。お金持ちだけが病気になったときに治療が受けられ、収入が少ない方は病気の際に治療が受けられない。つまり、高所得者は病気から助かり、低所得者は病気にかかったら知らないよ、ということが無いようにした保険制度です。

●年金保険

年金保険とは、読んで字の事く「年間に支給されるお金」の保険制度です。皆さんは「年金」と聞くと、65歳になってから受け取れるお金、と考えがちですが、これは間違えです。年金には様々な種類があります。例えば障害年金や遺族年金です。障害年金は、国が認める障害状態になってしまった時に払われるお金。遺族年金は、夫婦であれば配偶者が亡くなったときに生活を保障するために配偶者やその家族(遺族)にもらえるお金です。65歳になってから貰える年金の事は「老齢年金」と言います。ちなみに、60歳まで払っている「年金保険料」は自分にためでなく、現在年金が必要とされている方のために支払っているもので「貯蓄・運用」ではありません。しかしながら、年金保険料を支払っていないと、受給できる権利はなくなりますから、いわば貯蓄に近いものと考えてよいかと思います。

●介護保険

介護保険制度は一番最近にできた制度です。国が認めるある一定の介護状態になった際に、介護サービスなどを受ける際に国がある程度負担してくれる制度です。例えば、施設へ入居した際に入居施設利用料金を補助したり、デイサービスのように日帰りで介護施設に通う際の補助など様々な介護施設を受ける事ができます。この保険制度がなければ、医療保険と同様、100%自己負担となります。この保険制度は年齢により受けられる対象が変わります。年齢が65歳以上の方を、第一号被保険者と言い、40歳から64歳の方を、第二号被保険者と言います。第二号被保険者は「加齢による病気」で介護状態になった時と限定されます。極端に言えば、事故や災害により介護状態となった場合は、第二号被保険者はこの保険を利用できません。しかしながら、平均寿命が延びた日本では、これから重要となる保険制度であると言えるでしょう。

その他の社会保険の保障2種類

その他に2種類の社会保険をご紹介します。

●雇用保険

雇用保険とは、従業員(俗にいう正規雇用や会社員など)が雇用の安定や雇用促進を目的としたサービス等に国がお金を支援してくれる保険の制度です。よく知られている支援制度では「失業手当」です。俗にいう失業保険。会社員が自己都合や会社都合などで失業したとき、一定の条件において毎月お金を支給してくれます。勘違いしてはいけないのが「就職できる状態であり、就職を目的として活動していること」が第一の条件となります。つまり、就職ができない状態である時や、就職活動をしていないときには支給されません。本来の名前は「一般求職者(失業)給付」と言います。そのほかに、教育訓練給付・育児休業給付・介護休業給付etc等、様々な給付制度がある保険。読んで字のごとく「雇用を目的とする保険」制度です。

●労災保険

労災保険とは、労働中や通勤中に起きた災害や損害に対する補償をする保険制度です。労働中でも、労働を起因としないときは労災事故として扱われません。労働を直接の起因としないとは、労働時間中であっても、お菓子を食べてたら喉を詰まらせたとか、さぼっていて階段から落ちたなどです。例を挙げれば「労働時間中に脳卒中になった」これは、過度の労働によるストレスが原因なのか、それとも日々の生活習慣が原因でたまたま労働時間中に起きたのか、ここが論点になります。そうは言っても、労働時間が長い日本では、大変重要な保険制度でしょう。また、労災保険にも様々な給付制度があります。別の章で説明してありますので、参照してみてください。

社会保険料は誰が負担しているのか

社会保険と言っても、これだけの保険制度があることは理解できたかと思います。では、この社会保険の保険料、誰が払っているのでしょうか?細かい計算式等は省きますが、ここでは大体の事をおおらかに記載しておきます。自分がどのように負担しているのかが、おおまかにわかれば良いかと思います。

◆医療保険
会社と社員で折半
◆年金保険
会社と社員で折半
◆介護保険
会社と社員で折半
◆雇用保険
会社が約6~8割負担(事業種類により割合が変わる)
◆労災保険
会社が全額負担(社員負担なし)

このように、社会保険の保険料は、個人が全額負担しているわけではありません。簡単に言えば「会社が少々多く負担している」という事になります。雇用される側(労働者)は、実は公的保険制度においては、かなりお得な負担割合となっており、反対に言えば事業主(会社・社長)は社員を雇用する際には、かなりの負担をしなければならず、それなりの覚悟も必要であると言えるかもしれません。

社会保険は一人親方も入れるのか

一人親方は労働者ではありません。言うなれば「社長・代表取締役」です。ですから、会社員のような「社会保険」には加入できません。しかしながら、日本には「国民皆保険制度」という法律があり、日本で生活している方は何らかの公的な社会保険制度に加入しなければなりません。わかりやすくしましたので、下記を参照してください。
雇用保険と労災保険を総称で「労働保険」と言う場合が多いようです。

社会保険種類会社員・労働者一人親方
医療保険医療保険国民健康保険
年金保険厚生年金保険国民年金
介護保険介護保険介護保険
雇用保険雇用保険なし
労災保険労災保険特別加入制度

負担割合です。
社会保険種類会社員・労働者一人親方
医療保険会社と折半全額自己負担
年金保険会社と折半全額自己負担
介護保険会社と折半全額自己負担
雇用保険会社が6~8割負担なし
労災保険会社が全額負担全額自己負担

上記の表を見てわかるように、雇用される側は(会社員等)社会保険料は会社側とで「折半」もしくは「負担なし」もあり、かなりお得感があります。給与という形で労働の対価を貰いますが、現在では「給与天引き」で強制的に給与から引き去られます。どちらにせよ強制保険ですので、保険料は払わなければいけません。

一人親方は「個人事業主・社長」ですから、全額自分で負担しなければなりません。そして、雇用保険は加入できません。雇用されていませんから雇用に対しての補償は全くないと思っていいでしょう。

社会保険と一人親方の責任

労働者は、雇用される側と雇用する側とで社会保険料を折半等で支払いながら、様々な社会保障のサービスを受ける事ができます。一人親方は自分で各種保険料を支払い、社会保障制度を受けられるようにしなければいけません。国民皆保険制度がありますので、払わないということも、加入しないということもできません。しかしながら、社会保障制度によって日々の生活における様々な出来事から自分や家族を守ることができる制度です。お互いを支え合う(相互扶助)意味でも大切な制度なのかもしれません。

平成29年4月1日からは、社会保険の加入対象者の条件が変更となりました。今までは大まかに「週30時間以上の所定労働時間」と定められていましたが、平成28年10月1日からはいかの条件となりました。

〇平成28年10月1日から
所定労働時間が「週30時間以上」であるか、若しくは下記の条件をすべて満たしている者

■所定労働時間「週20時間以上」
■月額賃金「88,000円」以上
■勤務期間1年以上の見込み
■学生は除外する
■従業員規模が501人以上の会社

〇平成29年4月1日から
上記条件を満たしている者の他に、従業員規模500人以下の会社において

■民間の会社において「労使間の合意」があれば社会保険加入適応を拡大
■国や地方公共団体は、社会保険適応とする

つまり、従業員が500人以下の会社であっても、労使間(働くものと雇うもの)の合意があれば、社会保険に加入することができるようになりました。
詳しくはこちら、政府広報オンラインを参照してください。様々な情報が掲載されています。
政府広報オンライン

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