年度をまたいでの労災保険「特別加入労災保険」へ継続加入するには、毎年の更新手続きが必要です。

一人親方の労災保険は、民間の保険会社が運営している生命保険や、損害、傷害保険と違い、公営保険(国が保険を運営している社会保険等)です。
毎年の3月31日に締めをおこないます。
その理由は、3月31日の締め日をもって、加入している方の人数と加入期間、算定給付基礎日額によって労災保険の納藤額が決まり、7月11日までに一人親方に代わって承認団体が納税する仕組みです。

また、労災保険の納税額には2種類あります。

1.前年度に確定した保険料
確定保険料(年度内確定)
例:令和4年4月度から令和5年3月度までの間に「在籍した月数×保険料×人数」を計算し、実際に使用した保険料を令和5年7月度に支払い
※実際に加入していた(使用した)労災保険料の納付
(業務災害給付金は計算に含まれません)

2.次年度に加入している予測の加入分の保険料
概算保険料(次年度概算)
例:令和5年4月度から令和6年3月度まで在籍する予定の人数分の保険料を令和5年7月度に支払い
※新年度(次年度)に「加入しているであろう一人親方」の予測計算をし労災保険料の納付

このように、実際に加入していた一人親方の労災保険料だけでなく、次年度に加入しているであろう一人親方の労災保険料と二重で支払いしなければなりません。

確定保険料+概算保険料=当年度の労災保険料納付金
年度更新は、次年度には加入しない方たちの「確定保険料」を算出するだけでなく、次年度にも加入しているであろう方々の集計をし、概算保険料を算出するために必要となっています。

労災保険加入有効期限について

労災保険の有効期限は当年の4月1日から、翌年の3月31日までとなります。

通常暦の1年ではなく、事業年度(4月1日から3月31日まで)で計算されています。

年度の途中で加入のいただいた方については、ご加入日から翌年の3月31日までが有効期限となります。
「労災保険加入証明証」に有効期限が記載されていますので確認してみましょう。

・令和5年10月15日から6年3月31日まで
短期加入を取り扱っている団体において有効期限日は変わりますが、年度加入の方は3月31日までの有効期限に必ずなっています。

年度の途中加入の方は、次年度からは、4月1日から有効期限が変わるということににります。

また、労災保険の料金は「月割り計算」となっています。
「日割り計算」がありません。

月割は、月の途中で脱退(労災保険から抜ける)しても、1カ月分が徴収されるということ。
月の初めから加入しても、月の途中で加入しても、労災保険料が同額なのはこのためです。

労災保険継続加入には更新手続きが必要です

新年度へ継続して労災保険へ加入し続けるには、新年度更新手続きが必要となります。

更新手続きを忘れてしまった場合には、3月31日末日で労災保険から強制脱退(辞める)という手続きを行わざるを得ません。
継続加入の方は、忘れずに必ず更新の手続きを行いましょう。

脱退手続きの申請も、承認団体が管轄の労働基準監督署長経由で労働局へ申請します。
脱退手続きが完了してしまうと、労災保険へは未加入となってしまうため、注意しましょう。

また、脱退手続きが終了しているにも関わらず、労災保険加入証明証に記載されている、労働保険番号と管理番号をうっかり利用すると、元請け会社や依頼主に法規上の迷惑をかけることになりかねません。

加入者本人も未補償となり、万が一の時に、経済的に困窮する可能性も出てしまします。
加入していないのに「加入している」ということにするわけですから、詐称利用となりかねません。

必ず加入日からの有効期限だけではなく、労災保険料の未払いが無かったかを確認しておきましょう。

年度継続加入の更新手続きの方法

一人親方の労災保険事務を行っている「特別加入承認団体」は、東北労災だけではありません。
いまや、各地に多数の承認団体が設立されています。
※ただし、労災保険事務ができるのは、承認団体が事務所を構えている都道府県によって制限がありますのでご注意ください。

更新の手続き方法は、団体や組合や組織によって様々です。
不安であれば、ぜひ問合せをしてみましょう。
東北労災の更新手続きをご紹介します。

  1. 新年度の更新案内がお手元に届きます

    2月中に新年度更新の案内がお手元に届きます。
    取り纏めて加入手続きを行っている方には、取り纏めの方のご登録している住所へ人数分が届きます。
    住所変更届を忘れていた方には、必ず「住所変更届け」の提出をお願いいたします。

  2. 更新の案内を一読してください

    封書の中には、年度更新の案内と注意事項が記載されている案内が必ず同封されています。
    重要事項が記載されていますので、必ずお読みください。

  3. 継続加入の意思決定

    労災保険の継続加入をする方は、更新料が記載されている1年度分の労災保険料金をお振込みください。
    労災保険から脱退する方は、「脱退の申し出」を期限内に必ずしてください。

  4. 労災保険料の振込名義にご注意

    請求書に記載されている「管理番号+ご加入者」でお振込みください。
    ※お振込み名義はATM・窓口でも「自由に」名義を指定することができます。
    取り纏めの方は、企業名でお振込みをお願いいたします。
    代理で支払いを友人や家族や会社に頼んでいる場合、代理の方のお名前で振込されますと、どなたの労災保険料かがわからなくなってしまいます。
    振り込み名義には注意しましょう。

  5. 新年度の労災保険加入証明証が届きます

    労災保険料の振り込みが完了すると、順次継続加入の更新手続きが行われます。
    手続きが終わりますと、新年度の有効期限が記載されている「証明証」が届きます。
    必ず開封してご確認ください。

うっかり更新手続きを忘れてしまった

労災保険加入の継続の意思決定は、加入している個人、取り纏めをしている方が決定賢者です。

万が一、更新手続きを忘れてしまった場合は「再加入の手続き」が必要になってしまいます。
その場合は、「再加入手続きを行った日の翌日からの加入」となります。
つまり、必ず労災保険未加入期間が発生してしまいます。

労災保険未加入期間の間は、もちろんですが「労災保険給付補償」はありません。
さらに労災保険加入証明証に記載されている有効期限日も4月1日からではなくなります。

脱退の申し出を忘れてしまった、もしはそのままで脱退になるからと言って、「脱退の申し出」をしなかった場合は、脱退の理由が「未払いのための強制脱退」とデータとして保存されてしまうことです。
継続の加入が必要ない方は、「脱退の申し出」を期限内に必ず行いましょう。

東北労災一人親方部会

東北労災写真

東北労災では、労災保険加入から労災保険給付書類代行作成、脱退までのすべての書類作成を無料で代行しています。
労災保険への加入、労災給付申請、脱退申請において、最寄りの労働基準監督署や労働局では行えません。
東北労災のような「特別加入の承認団体」を通し、書類作成をしてもらいましょう。

東北労災の、労災保険加入証明証は、水に濡れても汚しても安心な「プラスチックカード」でお届けしています。
コピーされてもわかるように、コピーガードのデザインも施されていますので安心してご利用ください。

労災保険の業務災害用の申請書類は特に煩雑です。
必須記載事項も多く、ケガをして治療をしている時に、正確に書き上げるのは難しいもの。
ほとんどの承認団体では、申請書類の作成を代行しています。
しかし、書類作成を有料としていることも少なくありませんので確認しておきましょう。

病院で治療や入院をしていて働けないからこその労災保険。

労災保険の給付補償が必要な時に、書類をお願いするのに書類作成料を払わなければならない。
何通も必要になった時には、そのたびに支払いすることになる可能性も起こりえます。

一方、東北労災は労災保険の専門家が在中しているので、「労災事故報告」が入れば即座に対応します。
しかも「無料」であなたをサポートします。

労災保険に加入するなら、東北労災で安心で安全なサポートを受けましょう。

まとめ

雇用されていない一人親方でも、公営保険である労災保険に加入することができます。

日本では、雇用されている者を「労働者」とし、労働条件によっては労災保険は強制加入とされています。
〇雇用されている者=労働者=労災保険加入

一人親方や自営業者、事業主は、雇用されていないため
〇雇用されていない=労働者ではない=労災保険に加入できない
というのが本来の法律。

ただし、雇用されていないからと言って、事実上労働を(仕事を)していないというわけではありません。

ですから、特別に加入できるようにしよう。としたことにより
【特別加入の労災保険】一人親方や自営業者のための労災保険と呼ばれています。

一人親方や自営業者が仕事中の事故などで怪我をしてしまった場合には、すぐに医療機関で診察、治療を請けましょう。
そして、労災保険の申請を行い、早めに労災保険補償給付を受けましょう。
申請手続きや書類などには細かいルールがありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
一人親方や自営業者、事業主は誰も補償はしてくれません。経済的損失も守ってくれません。
自分や家族、関係者を守るため、特別加入の労災保険へ自ら加入することが大切です。